こんにちは、オルカです。早いことに、当ブログの累計アクセス数がなんと一万を超えました!ついこの前ブログの方針について見つめなおしていたように思えますが、あれから7000もカウントされたとは驚くべきペースだと思います。ブログのタイトルがなんというかアレなので検索に引っかかりやすいんでしょうけど、もし迷い込んでしまったのであればそのままこのブログの読者になってもらえるような、質の高さと文の愉しみを提供していきたいと思っています。もちろん、日頃から読んでいただいている方々の支えがあってこそ存続できているわけですから、感謝の気持ちは尽きません。これからもどうぞご贔屓に、応援よろしくおねがいします!
さて堅苦しい挨拶は終わりにして、ここからは「害悪」「糞鍵」と悪名を轟かせている
いばみがクレッフィについて、少しばかり自分の思うところを綴っていきます。この型はXYが発売されてポケバンクも開放されていないくらい初期に生まれて環境に嵐を巻き起こし、それから様々な対策が施されて今では数が落ち着いています。私自身クレッフィには幾度となく悩まされました。しかし、いくら害悪だからといって、それが時に対戦相手を不快にする戦法であるとはいえ、使ってはいけない決まりはない。むしろ対策する側としてクレッフィの本質を理解するうえでは、一度使用してどんな立ち回りで処理されるのか、得意不得意を明確に知る必要がある。というわけで、シーズン4が始まってからここしばらくは、クレッフィを軸にした構築でレートに潜っています。正直なところ、対策がどうとかそんなのはどうでもよくて、使ってみたいなあ楽しそうだなあと常々感じていたので、シーズンの移行をきっかけにパーティを組んでみただけなのでした。
◎クレッフィの基本データタイプ:鋼/フェアリー 特性:いたずらごころ
種族値:H57A80B91C80D87S75
△いばみが型持ち物:食べ残し 努力値:H228B252(orD252)S28またはHBかHDに特化
技:・威張る ・身代わり
・イカサマ ・電磁波
種族値だけ見るとなんのこともない、所詮は未進化ポケモンという印象しかありません。しかし語弊を恐れずに言えば、
クレッフィにとって種族値というステータスはいばみが型に限ってはさほど重要ではないのです。
まずタイプですが、鋼とフェアリーの組み合わせはあのメガクチートと同じものです。フェアリーの弱点である毒と鋼を打ち消し、鋼タイプと耐性の多さをそのまま残したような優秀なタイプですね。これによりクレッフィは種族値以上に硬いといえます。また
繰り出し性能も高く、起点を作らずとも積極的に場に出ていけるのも特長です。
次に特性ですが、これがクレッフィを語る上での8割を超えるであろうともいえる核、
変化技を優先度+1に扱う「悪戯心」です。これにより
素早さが75しかないクレッフィには基本的に先制で変化技を打てる権利が与えられます。ここで、クレッフィより早く先制技が打てたとしても大抵はメガルカリオ・カイリューの神速であるとかファイアローのブレイブバードに限られるので、さほど痛くはありません。また他の悪戯心に対しても電磁波をかける事で優位に立てます。先に動くことはクレッフィにとってとても大切なことです。
悪戯心によってSを無視して行動できるため、当然Sに振る意味も薄く、耐久に努力値をがっつり割けます。努力値配分としてはH228S28でBかDに252振るのがテンプレです。実数値としてはH161となり残飯効率身代わり4回連打実現、BかDに極振りして残りをSに割いてハッサムのバレパンよりも早く動くのが狙い。ここでBかDに振るのに悩みますが、一度使ってみてパーティが誘う相手に合わせればいいのかなと思います。私は現在HBベースで使っていますが、ライコウや水ロトムを誘う傾向にあるためHD振りのほうが良いかもしれないと感じているので、もしかしたら作り直すかもしれません。電気タイプには電磁波が通らないのも、誘う一因でしょう。
基本的な立ち回りとしては、まあ立ち回りといってもほとんどパターン化しているんですが、
攻撃を入れられる前にいばるでフィフティーフィフティーの運ゲにまずは持ち込み、当たりを引けばあとは身代わりを展開して好きなだけ保険をかけていきます。最初の壁を突破できなければクレッフィとしては
試行回数を重ねた相手の行動不能という運ゲを続けていくだけですから、はまってしまうと抜け出すのは困難極まりないです。始めはどちらにも分がある半分の確率での運であっても、その局面で負けると身代わりと電磁波が加わりクレッフィ本体に攻撃が届かなくなってしまいます。仮に運よく身代わりを壊せてもクレッフィのHPは食べ残しで回復しており、また身代わりを張られてしまう。この繰り返しで基本的には威張るの自傷ダメージとイカサマで削っていくのでそれなりに時間がかかります。敵のHPだけにならず、
対戦相手の貴重な時間をもごっそりと奪っていく悪魔と成りうるわけですね。
◎技構成の華麗さ 私が使用していてとても印象的だったのは技構成の完成された形です。結論から先に述べると、どの技からも別の技に派生するんです。
いばみがクレッフィの基本的な技構成は
威張る/イカサマ/身代わり/電磁波(or毒毒) です。今回は毒毒を採用したケースについては割愛します。
まずいばるをかけます。これによって相手は混乱し1/2の確率で自傷することになり、Aが二段階上昇します。AがUPし相手は強化されますが同時に自傷ダメーシも大きくなります。混乱によるダメージは
タイプのない威力40の物理攻撃を自分にぶつけるものなので、単純に威力も倍化されます。
身代わりを連打して、相手が行動できず身代わりが残るまで撃ち続けます。残ってしまえば相手が仮に混乱を抜け出しても本体には攻撃が届きません、貫通するのはすりぬけ・連続技・音系くらいでしょうか。クレッフィ本体の耐久がどれだけ薄くても関係なく一度は攻撃から身を守り、少ないダメージであれば身代わりは壊れません。プレイしていると身代わりがとても強固な壁に見えてくるので不思議なものです。
そして電磁波、相手のSを奪い1/4の確率で相手は行動できません。混乱は厳密には状態変化であり状態異常ではありませんので重複して作用します。
まひ・混乱状態のとき相手が行動できる確率は、1/2×3/4=3/8=37.5%となります。これを連続して何度も当てるとなれば……ターンを重ねるほど自滅する確率は高くなります。砂ガブも同じく、ひたすらよけ続けて身代わりを残すスタンスでしたが、クレッフィは自身の決定力が欠けているので相手を自滅させることで優位に立ちます。
最後にイカサマですが、これは
相手の攻撃力でダメージを計算する変わったものですね。悪タイプで威力95、命中は100%。クレッフィに火力がなくても相手の攻撃力で計算するので相手が強力な物理アタッカーであるほどダメージも大きくなります。そして悪技は鋼タイプにも等倍で入るので半減されにくいです。
イカサマはいばる・電磁波とのシナジーが非常に良いです。威張るによって相手のAを二段階上昇させるのでイカサマの威力もそれに伴って上がり、
悪戯心の適用されない攻撃技でも先に攻撃できるよう、電磁波で補助できます。
イカサマはあくまでもダメージレースを加速させるための要素なので、身代わりが残って暇なときに撃ったりダラダラと長引くよりもしとめてしまいたいときに重宝されます。
つまりは技構成がとても合理的で、シナジーを考えられた構成になっているんですね。これを撃てばこの技を打つときにこんな効果も得られる、という具合に、大げさに言えば一つの技の効果を何倍にも増幅できるような相乗効果が生まれます。
◎運を確実な勝利に変えるさて、ここまでクレッフィを散々持ち上げてきましたが、実際使ってみると所詮運に頼った戦術なので、上手くいかないこともあります。威張るをかけたけど相手に突破されてしまったということも、半分の確率に賭けるのでしばしばあります。それが身代わりの意味を成さないメガガルーラであればなおさら簡単に突破され、
混乱は解けて相手のAを二段階ないしそれ以上に上昇補正を掛けてしまったという、ともすれば敗北に近づく局面にもなります。それだけ
威張るとは大きなリスクを背負った技ですから、仕方ありません。だからといってそこで諦める必要はありません、威張るを突破されたときの対処法も先人達が生み出してくれました。
・かわりものメタモン@スカーフorタスキかわりものメタモンは
相手の能力変化をコピーする性質から元来積みポケストッパーに起用されてきました。第五世代においては受けループによく見られました、耐久ポケモンが起点にされやすいからですね。このメタモンをパーティに入れておけば、もし
威張るの恩恵を受けたまま突破されたとしてもメタモンによって逆に利用できます。メガガルーラがA二段階UPして更にスカーフも持っているとなれば、それはもはや鬼としか呼びようがありません。ピンチをチャンスに変える逆転の発想といえます。
・天然ヌオー、
ピクシーヌオーは
特性天然によって相手の能力変化を無視してダメージ計算します。クレッフィとのタイプ相性も良好ですが、クレッフィヌオーの並びはどちらも受け主体となるためダメージレースが停滞し泥仕合になりがちです。またクレッフィは水ロトムとの相性補完が完璧なので、ヌオーの採用はあまり見ません。
ピクシーもまた特性天然です。クレッフィと違い耐久値が高く小さくなるでひょいひょい避けます。
PGLによるとクレッフィとの組み合わせは、メタモンが一位、ピクシーが二位、あとはKP上位のガブ、ギャラとなっています。後者は相性補完が優れているだけで、いばるの解答とはなりません。
◎現環境でのクレッフィの立ち位置クレッフィの個体数がみるみる減っていったのは、単純に不安定な勝率なのでレート向きでないこと、それから対策が広まっていばみが戦法が通じにくくなったせいだと思います。しかし現環境では
ガブリアスはラムからタスキに持ち替えているし、環境上位ポケモンは大半が物理ポケで、クレッフィという台風が過ぎ去ったかのごとく対策はされていません。前にも言いましたがクレッフィは少数派の害悪なのでピンポイントに対策するよりもいっそ諦めて、他のバトルでその分勝てばいいと考えている方がほとんどなのかもしれません。それが正しい判断なのかどうなのか、その議論はひとまず置いておいて、クレッフィは環境に適応しているといえなくもないので使ってみる価値はあると思います。そうはいいながらも数が増えては困るんですけどね。
◎まとめ 余談として聞いていただきたいんですが、故事にこんな言葉があります。「
彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」敵と味方の情勢を知ってその優劣短所を把握していれば、たとえ百回戦ったとしても敗れることはないということ。 という意味なんですが、ポケモンにおいても当てはめることが出来ます、いや、核心を突いているといっても過言ではありません。つまりなにが言いたいかというと、知識を深めるためには幅広くポケモンを使ってみるべきだ、と思うんですね。マイナーパの縛りやタイプ統一とかの試みもある種の愉しみではあると思いますが、ポケモンの上達は敵を知ることから始まるわけですから、色々試してみるべきではないでしょうか。
また害悪というカテゴリーは時として人を不快にさせるニュアンスを多分に含んでいます。対策しない方が悪いとか使っていて楽しいのか、という殺伐とした議論をこれまでに幾度となく見てきて、色々思うところもあるんですが、やっぱり戦術として成立している以上はじゃんじゃん使っていけばいいでしょう。勝つために躊躇はせず、手段を選ばないというのが私の基本方針であります。TOD(タイムオーバーデス)もまた、許されるかは別として勝つための方法に過ぎません。モラルの観点から言えばまた別の話になりますが。
さて、アクセス数10000超え記念の記事は、良くも悪くもとても濃い内容になったのではないでしょうか。ご意見ご質問等お待ちしております。そして、今後とも応援よろしくお願いいたします。